2015-03-11

カンボジアの若き才能 チャン・バタナカ

Photo Masayori Ishikawa

 カンボジアフットボールの新時代を築く若き才能ある男。それがチャン・バタナカである。18歳で強豪スヴァイリエンでリーグデビューし、その後ボンケットアンコールFC(前ボンケットラーバーフィールドFC)に移籍し、今ではクラブ、そして代表においても欠かせない選手となった。

 気が利き、優しく、ルックスもいいバタナカはリーグでも屈指の人気選手である。しかし、昨年のスズキカップで劇的な逆転試合を演じた東ティモール戦で、バタナカが放ったシュートがバーに当たり跳ね返ったボールは一瞬ゴールラインを割ったかに見えたが、最後はその跳ね返りをチャンラスメイ(プノンペンFC)が頭で押し込みそれが逆転ゴールと認められた。バタナカは喜ぶチームをよそに、その輪に加わることはなかった。とても負けず嫌い、そんな性格が垣間見えた瞬間だった。

 バタナカは、完璧ではないものの、英語を話しリーグに所属する外国人選手とも積極的にコミュニケーションをとる。そして将来的は海外でプレーしてみたいと口にする、同国では稀な選手と言っていいだろう。

 今季は怪我でスタートし満足にプレーできておらず、実戦からも他の選手より遠ざかっている。しかし、怪我明けに即代表に招集されたあたり、さすがにリー監督の期待を感じることができた。将来海外でプレーすることを夢見るバタナカにとって、マカオに勝利し2次予選へ進出するための切符は是が非でも勝ち取らなければいけない

 熱い想いを胸に。バタナカの初めてのW杯予選が始まる。

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