2015-02-28

W杯1次予選 マカオ戦の会場はどこか

Photo Lon Jadina

 W杯1次予選初戦が約2週間後に迫っている。関係者によると、12日ホーム開催地はスヴァイリエンスタジアムが濃厚ということだ。そんななか、大手情報サイトが 「開催地はどこか」 というような読者アンケートを行っている。

 今年に入りカンボジア代表は、韓国Kリーグ3部のファソンFCと試合を行った。会場はスヴァイリエンでだった。また、本日開催されるU22シンガポール代表との試合もスヴァイリエンだ。そうなると、必然的に12日の会場はスヴァイリエンで確定だろう。設備面でも申し分ないと聞いている。しかし、ピッチすれすれの周りを観客が立ち見で囲むなど、安全面でAFCが許可するかはわからない。

 また、現在プノンペンにあるオリンピックスタジアムは、天然芝から人工芝へ張替工事をしており、あと2週間で終わるとは考えられない。そして、可能性があるとすればオールドスタジアム(アーミーFC本拠地)だろうか。先日よりクラブのスタッフ、選手、総出で芝生のメンテナンスを行っておりコンディションは以前より良くなっていることだろう。

 どちらにせよあと2週間後に迫っている。二転三転となるような、そんな決断だけはしないでほしいとカンボジアサッカー連盟にはお願いしたい。

アルビレックス新潟プノンペンが日本語学校を訪問

Photo Albirex Niigata PP Official

 アルビレックス新潟プノンペンFCは26日、タヤマ実践カレッジ・カンボジア校(タヤマ)を訪問し、クラブについての説明など講義を行ったようです。タヤマは、カンボジア人が日本語を学ぶための学校で、同時に日本の文化や風習も教えています。

 日系企業の進出が多いプノンペン。同学校の卒業生の多くが、そういった企業に就職しています。そのため、日本からの視察では多くの経営者がタヤマ学校を訪れています。今回の講義により、今後フットボール業界へ進むカンボジア人が増えることも期待されますね。

 (写真中央 アルビレックス新潟プノンペン 池田GM)

2015-02-27

プノンペンFCが吉原正人選手獲得を発表


 プノンペンFCの木原選手兼監督は27日、インターネットの公開生収録にて、元アビスパ福岡でドイツ4部でもプレーしていたFW吉原正人選手を獲得したことを発表した。

 吉原は23歳でアビスパ下部組織出身。2010年にトップチームに昇格し2013年に退団。昨シーズンはドイツ4部のアレマニア・アーヘンでプレーした。アビスパでは3シーズンで8試合出場した。

吉原正人

U22シンガポール代表がカンボジア代表と試合へ

Photo  FOOTBALL ASSOCIATION OF SINGAPORE

 28日にスヴァイリエンでカンボジア代表と試合を行うU22シンガポール代表がカンボジアへ向けて旅立った。到着後、プノンペンクラウンの練習場でトレーニングを行い、その後試合会場のスヴァイリエンへ移動する。

 シンガポール代表メンバーには、注目のIrfan FandiとIkhsan Fandiも選ばれている。W杯予選に向けて、カンボジアにとっては素晴らしい強化試合になるはずだ。試合は明日28日、現地時間16時キックオフ。

今季のカンボジアリーグ 7月開幕へ

Photo Masayri Ishikawa

 カンボジアサッカー連盟は、今季カンボジアリーグの開幕を当初の3月25日から7月3日に延期したことを正式に認めた。主な理由として、開催可能なスタジアムの整備が遅れていること。そして、代表戦が続き中断が多くなることから日程が組みづらかったとしている。

 2015年シーズンは7月3日開幕で12月13日に閉幕する予定だ。閉幕はタイプレミアリーグと一緒のため、当初心配されていたトヨタメコンクラブ選手権には間に合う見込みになっている。しかし、同国代表が来月のW杯1次予選を突破し2次予選に駒を進めた場合、9月から11月までに6試合のW杯予選が組まれていることから、タイトな日程になることは確実である。

 正式な日程は、来月の17日に開催されるW杯1次予選第2戦以降に発表されるとみられている。クラブによっては、給料の支払いなどで財政が圧迫されることも予想され、ただの延期だけでは済まされそうにもない。

Fリーグに挑戦中 Dani Kouch スキル/テクニック動画


 現在Fリーグのトライアウトに参加中のフランス系カンボジア人Dani Kouch。彼のスキル/テクニック動画を、所属していたプノンペンFCが今月初めに作成し動画サイトに公開しています。是非チェックしてみてください。

Dani Kouch

ボンケットアンコールFC 新監督にソバンナラ

Photo Masayori Ishikawa

 ボンケットアンコールFCは、フンセンカップ敗退で解任したオーストラリア人のジョン・マクグリン監督の後任として、昨シーズンまでナーガワールドFCの監督で、昨年入替戦ではキリボン・ソクセンチェイの監督を務めていた、プラク・ソバンナラを新監督として迎えることが濃厚になった。

 ソバンナラは、2006年から指導者のキャリアをスタートさせ、同国では最初にAFCのAライセンスを取得した。これまでカンボジア代表監督も2度務めるなど、フットボールファンのなかでは最も知られている人物のひとりと言っていいだろう。

 契約交渉の段階ではあるが、ほぼ100%合意に至っており、あとは若干の条件のみを残すのみとなっていると本人も認めている。そして契約前にも関わらず 「ボンケットに加わることに誇りを感じる。」 とコメントをしている。また、「優秀な選手がおり、一緒に過ごしてきた選手もいるので問題はない。今シーズンは優勝を目指します」 と付け加えた。

 クラブとしては、前監督が思っていた以上に期待外れだったようで、今回ソバンナラを起用することで早期立て直しと、リーグ開幕へ向けて万全な準備をしていくことだろう。同クラブには、今季から日本人の和田雄也(前所属 アルビレックス新潟プノンペン)が所属している。

2015-02-26

AFF U16選手権インドネシア大会 組合せ決定

Photo Khmer Goal

 アセアンサッカー連盟は25日、今年7月末からインドネシアで開催されるU16、U19アセアン選手権の抽選会を行った。U16に関しては、同大会が9月に開催されるAFC U16アジア選手権予選へ向けて、重要な大会になる。

 U16カンボジア代表を率いるのは日本人の壱岐監督(同氏については、近日別記事にします)。9月のAFC U16アジア選手権で、もしかしたらアジアに大きな驚きを与えてくれるかもしれない壱岐カンボジア。是非、注目してほしい。

 (カンボジアがU19の大会に参加するのかは現時点で不明)

AFF U16選手権 7月27~8月9日 ソロ・インドネシア
グループA
マレーシア、ベトナム、ラオス、東ティモール、ブルネイ、タイ
グループB
インドネシア、オーストラリア、シンガポール、フィリピン、カンボジア、ミャンマー


“カンボジア人を勝たせたい” 吉田康幸

Photo Masayori Ishikawa

 カンボジアフットボールを語るのに、この男を外すわけにはいかない。今季はこれまで2シーズン過ごしたナショナル・ポリスFCから、アルビレックス新潟プノンペンFCへ移籍した32歳GK吉田康幸だ。同国では太田に次いで2番目に長い3シーズン目を迎える吉田。日本人選手が増えるカンボジアリーグで、頼られる兄貴的存在でもある。

 カンボジアに来る以前、怪我で2年間リハビリに励み、そしてなでしこリーグのクラブのGKコーチをしながら現役を続ける道を模索してきたという。そしてたどり着いたカンボジアでこの2シーズン、カンボジア人と本気でぶつかってきた吉田は、日頃の練習からカンボジア人選手のプロとしての意識を向上させるため、時に厳しく接することもあったという。

 2年前カメラマン石川が吉田をインタビューした記事にこんなことが書いてあった。

 「僕たちは外国人枠を使ってプレーしています。本来であればカンボジア人が出場できるところを自分たちが出場しています。ですので僕達を使ってよかったプレーの面でも、サッカーに対する姿勢の面でもチーム から評価してもらえるように頑張らないといけない

 「スタジアムもとてもサッカーをする所ではありません。観客もサッカーを分かっていいて見ている人は居ないでしょう。カンボジアがサッカーを本当に強くしたいのであればサッカーを文化として作って行かなければいけないと感じます。プレーヤーにしても意識が低すぎます。給料がまだまだ低くて大変なことはわかります。しかし、サッカー選手と名乗っている以上は高い意識を持たなければいけません。サッ カーは遊びじゃない。

 そんな吉田の姿勢に、意識の変化、また目標を持つことができた選手も多いのではないだろうか。おそらく本人の意識もさらに高いものになっていることだろう。その証拠に、以前に比べ 「カンボジアのために」 「カンボジア人を勝たせたい」 という言葉が多くなった気がする。

 しかし、ゴールキーパーとして海外で活躍することは決して簡単ではないはずだ。言葉はもちろん、それ以外にも必要なものは多いのではないだろうか。しかし吉田の周りにはよく人が集まる。それは持ち前の人柄はもちろん、何より吉田自身が助っ人としてプレーする日本人選手の意味を理解しているところが大きいのかもしれない。

 新天地となるアルビレックス新潟プノンペンでチームのために、そして同国のGKのレベルアップのために、吉田は今季もピッチで泥だらけになる。

吉田康幸

アルビレックス新潟プノンペンが新潟県人会を開催

Photo Albirex Niigata Phnom Penh FC Official

 アルビレックス新潟プノンペンは、カンボジアのプノンペンに在住で新潟に縁のある在住者との交流のため、新潟県人会を不定期で開催している。クラブからは、池田GMとスタッフの青木さんも参加。最近3回目の会を開催したと、公式Facebookページで報告している。このような活動をきっかけに、今後少しでも日本人がリーグ観戦に足を運んでいただき、カンボジアフットボールの活性化のひとつになることを期待したい。

 同クラブは設立初年度となった昨シーズン。入替戦を味わうなど苦しい1年だった。しかし、先日同クラブから来月のW杯予選に向けて代表候補も選出されるなど盛り上がりも見せている。また毎週水曜日には、市内でエンジョイフットサルを開催し、カンボジア人との交流にも積極的だ。

 カンボジア在住の方、または今後訪れる方で、新潟に縁のある方は是非参加してみてはどうだろうか。

アルビレックス新潟プノンペン

2015-02-25

元大宮、福岡の木原正和が選手兼監督デビュー

Photo Masayori Ishikawa

 存続の危機に立たされていたプノンペンFC(前トライアジアプノンペンFC / 存続が決定した)で新監督に就任した木原正和が24日、カンボジア代表と同クラブのトレーニングマッチで、選手兼監督としてデビューを果たした。試合は0-0の引き分けだった。

 木原は試合後、自身のツイッターに 「監督兼選手として初めて試合にでましたが想像以上に難しいものでした!ただ楽しい部分も見えたので収穫はあったとおもいます。日本からの応援メッセージくれた方ありがとうございました。」 と、デビュー戦の気持ちを書き込んだ。  木原選手兼監督は、28日に福岡で開催される福岡フットボール映画祭にゲストとして出演する予定。 今季どんなプレーを見せてくれるか、そしてどんな手腕を発揮するのか楽しみである。

フランス系カンボジア人 トリオ

Photo Kampuchea Party Republic
「フランス系カンボジア人がFリーグ挑戦へ!」
 
 実際はトライアルを受け始めた段階で、契約できるかはこれからのアピール次第ではあるが、挑戦者であるDANI KOUCHのこうした動きはカンボジア人選手たちの刺激になるだろうか。

 フランス系カンボジア人選手は他にもいる。プノンペンクラウンのThierry(写真真ん中)、Boris(右)、そしてSokthorn(左)の3人である。ピッチを離れても、家族ぐるみで親交している姿を度々ソーシャルメディアに書き込んでいる。ファッションセンスも他のカンボジア人に比べて際立っており、雑誌や広告のモデルに抜擢されることもある。

 Borisは雑誌のインタビューで、「カンボジアに来たとき、ピッチの上でも、生活面でも、DaniやThierryがよく助けてくれている」とコメントしていた。それほど絆も深いようだ。

 W杯1次予選に向けての最終合宿にはThierryとSokthornが選出されており、12日と17日のマカオ戦でプレーすることが濃厚で、2次予選進出へのキープレイヤーになる可能性もあるので注目したい。

 日本で挑戦するDaniや、W杯予選を戦うThierryやSokthornの活躍で、今後母国に戻ってプレーを望む選手が増えてくるかもしれない。また逆に、海外移籍を夢見る選手も多くなるかもしれない。そうなれば、カンボジアフットボールのレベルは一気に上がっていくだろう。

28日シンガポール選抜と強化試合へ

Photo FFC

 カンボジアサッカー連盟(FFC)は24日、今月28日にカンボジア代表がシンガポール選抜との強化試合をスヴァイリエンスタジアムで開催することを発表した。来月12日に開催されるW杯1次予選に向けて、重要な強化試合となる。試合は午後4時開始予定。

 この流れで行くと、12日マカオ代表との試合はスヴァイリエンスタジアムで開催が濃厚だろう。カンボジア代表は今月7日、同スタジアムで韓国Kリーグ3部王者のファソンFCと試合を行っている。そのためプレーするにあたって大きな問題はないはずだ。

 また、怪我で招集を見送られていたボンケットアンコールFCのバタナカも練習を再開。12日までには間に合うのではないかとの見方が強い。国外遠征がなかなかできないなか、ファソンFCやシンガポール選抜のように、わざわざスヴァイリエンまで来てもらい試合を行えるのは大変ありがたいことである。

2015-02-24

太田敬人 カンボジアリーグ5シーズン目へ

Photo Khmer Goal

 リーグ開幕日がはっきりしていないなかではあるが、今季もカンボジアでプレーする日本人の数は10名を超えそうだ。そのなかに、同国リーグで日本人プロ第1号になった太田敬人の姿もある。2010年にタイリーグでプロ生活をスタートさせ、その後カンボジアへ渡った初年度にはプノンペンクラウンで優勝を経験した。今季は昨年プレーしたビル ブライト ユナイテッドから、アーミーFCに移籍し同国で5シーズン目を迎える。

 昨年、所属するビルブライトユナイテッドでプレシーズンを始動させた太田。当時フンセンカップに向けての練習試合が多く、外国人がプレーする時間は限られていた。それでも出場すれば、凸凹で荒れたピッチの上で短い時間でも自分の持ってる力を十分に発揮し、監督からの評価もまずまずだったが、年の瀬迫る12月、太田はあえて環境を変えることを選んだ。

 アーミーFCは、カンボジアリーグで使用するアーミースタジアム(オールドスタジアム)を本拠地としている。また、今季よりタイの大手スポーツメーカーであるグランドスポーツがユニフォームサプライヤー(契約内容は不明)になった。太田は 「クラブが考える今後へのビジョンがしっかりとしているので楽しみです。」 と、同クラブへの期待感を口にしていた。まずはスタメンに定着することが目標になるが、今季どれだけピッチに立ち躍動してくれるのか楽しみである。

 そして、太田はプロ選手として生活を送りながら、自身が代表を務めるフットボールアカデミーで同国内の育成、普及にも積極的に取り組んでいる。昨年はYAMAHAと国際大会を開催し、カンボジアと日本やシンガポールの育成年代を繋いだ。発展と成長、この国のフットボールの未来を見据えるこれらの活動にも注目していきたい。

太田敬人

歴史に名を残した日本人 伊藤壇

Photo Masayori Ishikawa

 アジアの渡り鳥、伊藤壇。現在まで17ヶ国でプレーし、最も多くの国でプレーするサッカー選手としてギネスブックにも認定されている。現役プロ選手を続けながら、昨年には「チャレンジャス・アジア」という企画を立ち上げ、自身の今までの経験を活かすため、アジアへ挑戦する選手のためにサポートも始めた。

 伊藤壇は、2012年にカンボジアリーグでもプレーしている。当初プノンペンクラウンと契約直前までいったが、選手登録人数の関係で白紙へ。それでも経験からすぐに切り替え、ビルブライトユナイテッドの練習へ行き、即契約にこぎつけたと、当時のことを香港ポストの記事に自身で書き残している。

 そしてチームに加わりキャプテンを任された伊藤は、リーグ戦で大活躍。その時のカンボジアフットボール関係者の日記に 「36歳という年齢でチームを引っ張る日本人伊藤壇は、カンボジアフットボールにセンセーションを巻き起こした」  と褒め称えていた。

 昨秋、あるクラブの監督に 「伊藤は今はどこでプレーしているんだ」 と聞かれたことがある。それぐらい、今でも同国の関係者の中で日本人選手の話になると、伊藤の名前が出てくることは珍しくない。

 カンボジアフットボールの歴史に名を残した日本人伊藤壇。今後彼がカンボジアへ訪れることがあったとしたら、カンボジアは彼を温かく迎えてくれることだろう。

伊藤壇

2015-02-23

プノンペンクラウン アカデミーがトライアルを開催へ

Photo Phnom Penh Crown Official
プノンペンクラウンは23日、今月28日に同クラブの本拠地RSNスタジアムでアカデミーのトライアルを開催することを公式Facebookページ発表した。

 対象となるのは2002、2003年生まれで、今回のプノンペンでのトライアルを皮切りに、全国で開催していくとのこと。この募集では、年齢詐称が行われないよう、出生証明書の提出を義務付けている。さらに、このトライアルで合格することができれば、同国でも最高の環境でフットボールを学ぶことができ、5年間の奨学金も保障されると説明されている。

 プノンペンクラウンは、カンボジアでも育成に最も力を入れているクラブであり、今季もU18アジアチャンピオンズトロフィーに参加することが決まっている。トップチームは昨シーズンリーグを制し、来月のW杯予選に向けて最多7選手が招集されるなど強豪クラブだ。また昨年には、電通スポーツアジアと戦略的パートナーシップを提携したとして注目を集めた。

 ちなみに現在、タイなどでプレーしていた日本人のGK東風選手が同クラブのトレーニングに参加している。

Phnom Penh Crown FC

フランス系カンボジア人がFリーグ挑戦へ

Photo Masayori Ishikawa

 (トライアジア)プノンペンFCの社長兼GM吉田氏によると、同クラブのフランス系カンボジア人ダニがFリーグのトライアウトに参加すると発表した。

 ダニはフランスとカンボジアの国籍を持っており、過去にはU21フランス・フットサル代表にも選出された経歴もあるとのこと。ダニは、先週金曜日に日本入りしており、試合も観戦している。今後はバルドラール浦安とフウガドールすみだのトライアルを受けることになっているという。

 ダニは果たして道を切り開くことはできるのか。もしFリーグのクラブと契約することになれば、今後同リーグにとっても、そして東南アジア方面でも面白い存在になりそうだ。

2015-02-22

カンボジアの希望が引退へ



 先日ドイツメディアは、ブンデスリーガ2部のFSVフランクフルトに所属するドイツ系カンボジア人ストライカーの“Chhunly Pagenburg (チュンリー)”が怪我のため28歳の若さで引退すると報じた。一部のファンの間で再びチュンリー待望論が湧きあがったのは、10日W杯1次予選の組み合わせが決定した直後のことだった。それからすぐ、この希望は夢で終わることとなった。

 昨年開催されたスズキカップでも、ファンは彼の招集をソーシャルメディアを通して訴えたことがあった。カンボジアサッカー連盟の関係者によると、パスポート、ビザの関係で難しいという話だったが、プレーすることもさえも難しかったのではないだろうか。実際2年間でプレーすることができたのは、わずか数試合だった。

 過去にはドイツU19とU20代表でプレーし、2年前にはカンボジア代表でも国際Aマッチ1試合を記録し、“カンボジアの希望”と言われたチュンリー。今後について、指導者を目指したいとコメントしている。

Chhunly Pagenburg

2015-02-21

W杯予選へカンボジア代表が強化合宿をスタート

Photo Masayori Ishikawa

 カンボジアサッカー連盟は17日、来月12日と17日に開催されるW杯アジア1次予選マカオ戦に向けて代表候補32名を発表した。19日から、トンレバティにあるナショナルフットボールセンターで強化合宿をスタートさせている。

 現地メディアサイトやソーシャルメディアを見ると、国内のファンの間でも静かに盛り上がりを見せてきているW杯予選。初戦は12日ホーム、スヴァイリエンで開催される予定。2次予選に進出することになれば、日本と対戦する可能性もある。

 また、W杯2次予選は6月からスタートし来年3月までの日程で行われる。そのためカンボジアリーグの日程は、早くても来月17日以降に発表されると考えられる。


マカオ代表との戦績(カンボジア 3勝1敗)
2008年 AFCチャレンジカップ  カンボジア 3-1 マカオ
2010年 AFCチャレンジカップ     マカオ 1-2  カンボジア
2012年 AFCチャレンジカップ    カンボジア 3-1 マカオ
                        マカオ 3-2 カンボジア


2015-02-20

カンボジアリーグ開幕は7月?

Photo News Savay

 先日アルビレックス新潟プノンペンCEOの是永氏が、リーグ開幕が7月にずれ込む可能性があるということを自身のソーシャルメディアに書き込んでいた。真相を確かめるため、関係者数人に確認したところ、開幕が3月25日ではないことはどうやら確実のようだ。

 昨年7月末に幕を閉じたカンボジアリーグ2014シーズン。その直後より工期に入るとされていたオリンピックスタジアムの人工芝張り替え計画。しかし、結局のところ遅れにおくれた張替計画。スタートしたのは年が変わろうとする12月のことだった。そうなると必然的にリーグ開幕がずれ込むことは確実だった。(写真は2月初旬のオリンピックスタジアム)

 当初カンボジアサッカー連盟は、3月25日を開幕日に設定はしていたものの、その週はFIFA国際Aマッチデーに指定されており、AFC U23選手権の予選も組まれていたのだ。しかも、FIFAランク下位のカンボジア代表は3月上旬にW杯1次予選を戦う必要があるということは、随分前に分かっていたはずである。

 代表選手は来月の予選に向けて、約3週間の合宿日程が組まれている。クラブによっては、リーグ開幕に向けての最後の調整を主力抜きで行わなければいけない。しかも、U23代表に選ばれれば、開幕戦と第2節に多数の選手が出場できない状況になることも想定できていたことだろう。結局幾つかのクラブが、連盟に対し開幕延期の要請をした事実もあったようだ。

 また、代表は3月のW杯1次予選を勝ち抜くと、6月から同2次予選がスタートする。同じ時期にはシーゲーム(東南アジア競技大会)の開催も予定されており、5月半ばにはリーグ中断を余儀なくされることは確かだ。そして、4月にはクメール正月もあり、1週間以上は完全に機能しなくなることは目に見えている。

 ではいつ頃がカンボジアリーグの開幕時期に適しているのか。それは冒頭で記した“7月”が最も可能性が高いことになる。既にフンセンカップを戦ったカンボジア人選手はいいとして、外国人選手は長くて1年という長期オフとプレシーズンを過さなければいけないこの過酷な状況はなんとも言えないもの。

 まずは、オリンピックスタジアムの張替完了と、現在建設中であるスタジアムの早期完成を願いたいところである。同時に、連盟に対する運営能力に疑問を投げかける者が現れないものかとどこかで期待したい。全てはカンボジアフットボールの発展のために。


 代表よ、絶対に結果を出せ!そして人々に喜びを!

W杯予選か。それともシーゲームか。

Photo Masayori Ishikawa/Khmer Goal

「来年のシーゲームに向けて最高の準備をしていきます。」

これは、昨年スズキカップ予選ラウンド最終戦のブルネイ戦後のカンボジア代表、韓国人リー監督のコメントである。

 カンボジアは来月3月12日と17日に、マカオ代表とW杯1次予選を戦うことが決まった。カンボジアサッカー連盟とリー監督の方向性が一致しているのであれば、W杯予選は最優先ではないだろう。むしろ、その後すぐに開催されるAFC U23選手権予選兼五輪予選(25日ー31日 バンコク)でしっかりチームを作り上げ、6月にシンガポールで開催されるシーゲームでメダルを狙うことこそが今年最重要のミッションであると言っていいだろう。いや、そうだったはずである。

 しかし、マカオ代表と戦うことが決まった今の心境はどうだろうか。もしスズキカップで見せた勢いを再現できるようなことがあれば、マカオ代表に勝利し2次予選に駒を進めることも夢ではないと考えているのではないだろうか。先日カンボジア代表はスヴァイリエンの新スタジアムのこけら落としとして、韓国Kリーグ3部王者のファソンFCと強化試合を行い2-5で敗戦した。だが、この試合の出来で来月の結果を決めつけるには、まだ早すぎる。

 問題は日程だ。仮に2次予選に駒を進めたとしよう。その場合、シーゲームと2次予選の開催期間が重なることになる。当初、アセアン各国はAFCに対し、日程の変更要望をしていたという話だが、それは却下された。カンボジア代表のリー監督と同様、A代表と五輪代表を兼任している代表監督は数か国ある。W杯予選か、シーゲームか。特に戦力が厚いとは言えないカンボジア代表がどうやりくりするのかは、見どころのひとつと言っていいかもしれない。

 全ては1次予選に勝てばの話だが。それでも代表の人気は、自国リーグの活性化に繋がると信じている。まさに20年前の日本と同じようなことが、ここカンボジアでも必要なことだと考えている。そして代表戦が続くことで、リーグ開幕の延期計画の話が進んでいることは、また次回にでも。

2015-02-19

王者が示した方向性

Photo Naga World FC

プレシーズンからフンセンカップ開催中にかけての驚きのひとつと言えば、昨年の王者プノンペンクラウンの代表クラス4選手の移籍だろうか。この件は、ファンはもちろん、関係者のなかでも大きな衝撃だったに違いない。


同クラブは昨年の中国遠征で重大な規律違反を犯したとして、DFホン・ペン、MFキム・ボレイ、コウ・ソクンピア、GKソウ・ヤティに、フンセンカップ期間中の活動停止処分を言い渡した。すると1月中旬にホン・ペンがボンケットへ。そしてキム・ボレイとコウ・ソクンピアがナーガワールドへの移籍を決めた。そして2月に入り、ボンケットがソウ・ヤティの獲得を発表した。

そもそもどんな規律違反を犯したのか?それについて、プノンペンクラウンは明らかにしていないものの、分かっていることは、中国遠征以降、移籍した4選手はトレーニングをボイコットしていたという話である。原因はスイス人監督サムとの確執という話もあり、ほとんどのカンボジア人選手が不満を抱いていたという話も聞かれたが、未だに真相は明らかになっていない。

当初はこの移籍が大きな損失とも思われたが、他にも代表クラスの選手が所属し、また育成年代の台頭も際立つ同クラブの取組みを見る限り、心配はそんなに大きなものではないのかもしれない。


また、昨年大活躍したオーストラリア人“アドリアーノ ペジェグリーノ”がタイD2のクラブへ移籍。トヨタメコンクラブの前に新加入したオランダ人“ボスマ”も、シーズン開幕を待たずにベトナムへ移籍した。それでも絶えずトライアルのために同クラブの門は叩き続けられている。

新シーズン、どんな戦いを魅せることができるのか。プノンペンクラウンは王者ではなく、異なる形で注目を集めることは間違いないだろう。

ファンの熱狂。そしてナーガワールドの怒り。

Photo Masayori Ishikawa

2015フンセンカップ決勝は、地元スヴァイリエンがナーガワールドを2-1で下し幕を閉じた。

今大会、グループステージが開催された場所は、プノンペンから約40km離れたトンレバティという小さな町にあるナショナルトレーニングセンターである。確かにピッチ状態など、あらゆる面でオールドスタジアム(リーグで開催される会場の1つ)よりいいだろう。しかし、4ピッチで同時キックオフなど、まるで青少年の夏のフェスティバルのようだったと聞いている。


年々人気が上がるカンボジアフットボール。シーズン到来を今か今かと待ちわびていたファンの多くが、費用や手段を考えると行くことをあきらめざるを得なかったに違いない。もう少しファンに配慮した大会にできなかったものかと、例えば半分だけでもプノンペンで開催するとか。色々やり方はあったはずである。

そして決勝トーナメントは、トンレバティからスヴァイリエン州の州都スヴァイリエンに完成した新しいスタジアムに場所を移し開催された。これほどまでに多くの人々が楽しみしていたのかと言わんばかりの熱狂がスタジアムを包み込み、これはこれで成功と言っていいのかもしれない。しかも、地元スヴァイリエンが優勝したのだからなおさらだ。が、よくよく考えるとプノンペンのオリンピックスタジアムの工期が大幅に遅れているという事実も忘れてはならない問題である。

一方で、決勝では試合後にレフェリーへの判定にナーガワールドの選手たちが詰寄り抗議するなど、後味の悪いものになってしまった。
この件について、協会側は堅く口を閉ざしている。
同クラブのマネージャーは情報サイトのインタビューに「試合を見ていた全てのファンが不公平な判定を目撃した。カンボジアフットボールは発展していくことができるのか」と疑問を投げかけたが、同時に開催場所がスヴァイリエンだった。これがホームアドバンテージなんだという諦めの声も聞こえてくる。
このスヴァイリエンとナーガワールドの一戦は、今季リーグ戦でも間違いなく注目されるはずだ。